2015.4.5
先日、父が60才になりました。
「白髪ばっかりになっちゃったなぁ」
「お父さんお疲れ」
毎朝6時半から店に出て
8時過ぎに食事に戻ってくる父をみて
毎日しみじみ心の中でつびぶやく事。
わたしの父は
恐らく知っている人は分かると思うけど
「怖い」「無愛想」「なんか怒ってそう」
マイナスイメージ100%な3拍子が見事に揃っている。
ガタイが良いとか、やくざっぽいとか、
そういうのじゃなく、
いわゆる「頑固おやじ」っぽさがオーラとして出ている感じ。
(そのくせ見た目はスラッとして男前なんだけど。故にギャップ!)
もちろんオシャベリも下手で
というかお酒がないとあまりベラベラ喋らない。
本も読まない。字も書かない。
とにかく365日働いて364日作業着を着ているお父さん。
私にとってはわけわかんない所で怒ってきたり
頭ガッチガチでわけわかんない物理論持ち出してきたり
自分の事棚に上げてわけわかんない説教してきたり
昔はよくぶつかりました。
わけわかんないから、ぶつかるよね(笑)
お父さんも必死だし。わたしも必死。
分かってもらいたかったから。
分かって欲しかったから。
その事を今思い返すと、
わたしお父さんの事本当に好きだったんだなーって思う。
ぶつかることって、「本気」の証。「好き」な証。
わたしにとっての「家族」の証。
家に帰ればいつでも会えるんだけど
ゆっくり話ができる環境でもなければ
娘の何気ない話に耳を傾けるような人でもない。
小学生時代に、そんな事を感じとっていたわたしは
父と「話」をした記憶が一切ない。
進路相談も、恋バナも、日々思っている事なんかも。
12年やってた習い事とアメリカの大学生活の事だけだったかな?
会話として成り立っていたことって。
そんな父。
だけど、
毎日朝から晩まで「体」を使って「働いて」
毎日朝から晩まで「頭」の中で「育児」をしていたのかなって思う。
不器用で、伝えるのが下手な人。
だけど、
子供の事しか頭になかった人。
目にはみえないし、この年になるまでわかんなかったけど。
この人は「子供の事」を一番に考えてきたんだろうな。
「子供の事」が一番の喜びなんだろうな。
振り返るとそう思えることばかり。
運動会とか家族旅行とか色々思い出はあるけれど
「お布団で、ポパイの歌を「わたしに」歌って聴かせてくれたこと」
これが「お父さんとわたし」の一番の思い出。
4歳だか5歳だかそれくらいのとき、
寝る前に何回か歌ってくれただけの小さな小さな思い出。
時間にしたら1分とか2分。
だけど、あの時間、あの瞬間、
「ああ、わたしはお父さんと居るんだ」
って心から感じて幸せだった。あの幸せな空間が一番好きだった。
大人になって一度、
昔お父さん、こんな歌わたしに歌ってくれたんやで?
って話したら、そんな歌歌っとったか?って
冷たく返されたけど。
別にいいんだよね。本人覚えてなくたって。
わたしが覚えているんだから。
お父さん。
もうすっかり見た目は70代だけど
60才おめでとう。
あなたがいて、わたしがいる。
いつも本当にありがとう。
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